「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」の公表:金融庁2024年11月8日
「有価証券報告書におけるサステナビリティに関する記載方法が分からない」との相談を頂くことがあります。2023年1月31日に公布された改正「企業内容等の開示に関する内閣府令」において、新たに記載が求められるようになり、開示事例も少ないことから財務諸表作成側の方々は頭を悩ましています。 金融庁が2024年11月8日に公開した「好事例集」はそのようなお困りごとを解決するのに参考になります。多くの好事例を掲載・比較してあり、他社では何をポイントにしているのかを知ることで自社に置き換えて検討することができます。掲載されている会社は好事例ですのでエクセレントな記載内容ばかりではありますが、内容が充実していることが重要なのではなく、投資家等が期待するポイントが記載されているか、が重要と思います。各事例には「好事例」となったポイントも記載されていますので、そちらだけでも参考になりました。
前半部分で取り上げられている投資家・アナリスト・有識者が期待する主な開示(全般事項)は以下のとおりです。
・サステナビリティ開示は中長期の経営戦略であることから、経営陣やガバナンスによるリーダーシップの発揮、経営者の意思表示、経営陣の意向を示すことが重要
・サステナビリティに関する活動内容の記載だけではなく、活動の結果や活動の過程で何に貢献しようとしているのかについて開示することは有用
・重要なサステナビリティ指標に関する実績について、第三者保証を受けていることを開示することで、正しいデータや記述を行うため取組みを行っていることを示すことができるため、信頼性確保の観点において有用
・同じ用語であっても、企業と投資家で考え方に違いがあるものがあるため、用語を明確化することが重要
サステナビリティに関する開示は、漠とする記述になってしまいがちですが、自社の検討結果を適切に伝達するためには記載内容のポイントを押さえておくことが望まれます。個別の好事例を知るだけでも参考になります。お時間があるときにお手にとってご覧ください。
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