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TOKOニュースレター Vol.162

【速報】改正私立学校法(会計・監査関係)の概要

私立学校法が改正され速やかに学校法人会計基準の改正を行った後、1年程度の準備期間を置き、令和7年4月1日施行の予定です。今後の学校監査に大きな影響があります。

1.法改正の趣旨

• 我が国の公教育を支える私立学校が、社会の信頼を得て、一層発展していくため、社会の要請に応え得る実

効性のあるガバナンス改革を推進するための制度改正を行う。

• 幅広い関係者の意見の反映、逸脱した業務執行の防止を図るため、学校法人の管理運営制度に関する規定や、

理事等の特別背任罪等の罰則について定める。

2.概要

「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」の考え方から、理事・理事会、監事及び評議員・評議員会の権限分配を整理し、私立学校の特性に応じた形で「建設的な協働と相互けん制」を確立する。

3.役員等の資格・選解任の手続等と各機関の職務・運営等の管理運営制度の見直し(下線部分)

① 理事・理事会

・理事選任機関を寄附行為で定める。理事の選任に当たって、理事選任機関はあらかじめ評議員会の意見を聴くこととする。

理事長の選定は理事会で行う。

② 監事

監事の選解任は評議員会の決議によって行い、役員近親者の就任を禁止する。

③評議員・評議員会

理事と評議員の兼職を禁止し、評議員の下限定数は、理事の定数を超える数まで引き下げる。

理事・理事会により選任される評議員の割合や、評議員の総数に占める役員近親者及び教職員等の割合に一定の上限を設ける。

評議員会は、選任機関が機能しない場合に理事の解任を選任機関に求めたり、監事が機能しない場合に理事の行為の差止請求・責任追及を監事に求めたりすることができることとする。

③ 会計監査人

大学・高等専門学校を設置する大臣所轄学校法人等では、会計監査人による会計監査を制度化し、その選解任の手続や欠格要件等を定める。

4.会計・監査制度に関する改正

・機関設計に「会計監査人」を追加=>会計に関する職業的専門家による会計監査を通じて、学校法人の説明責

任の履行を支援、強化する。

・会計に関する規定を整備(文部科学省令で定める基準に従って会計処理をし、計算書類等を作成する旨を規定、

 監事、会計監査人による計算書類監査に関する規定を整備、財産目録等の作成等についても規定を整備)

=>私学助成の交付を受けていない法人も含め、計算書類に関する規定や会計基準を私学法に一元化予定。

5.私学法改正による学校法人監査の変更内容

 現行制度新制度(令和7年度以降)
計算書類の根拠私立学校振興助成法私立学校法(内訳表については私立学校振興助成法に基づき作成)
監査の根拠私立学校振興助成法会計監査人設置学校法人(主に大臣所轄学校法人・大規模な知事所轄学校法人)私立学校法
助成対象学校法人私立学校振興助成法

⚫ 計算書類の作成目的が、補助金交付の目的から開示目的に変更

⚫ 会計監査人設置学校法人では、計算書類のほかに財産目録の監査も実施

6.学校法人会計基準の改正予定

①附属明細書(固定資産明細書、借入金明細書、基本金明細書)の見直し

②注記事項の充実

・新学校法人会計基準では「注記」の節を設け、計算書類の末尾に記載することを明示

・貸借対照表の様式から脚注を削除(注記記載例は別途通知等で定める)

・注記すべき項目として以下の内容を追加

重要な偶発債務、関連当事者との取引の内容に関する事項、重要な後発事象

・注記事項に「セグメント情報」を追加

・「子法人」(学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるもの)に関する注記の記載

・学校法人会計基準の一項目として、財産目録の作成基準を定める

来年令和7年4月1日施行予定であり、学校法人関係者の方々は改正内容のキャッチアップが望まれます。

以上

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