【「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について】
2022年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」、「コーポレートガバナンスに関する開示」などに関して、制度整備を行うべきとの提言がなされました。
提言を踏まえて、以下の改正が、有価証券報告書及び有価証券届出書の記載事項に実施されます。
①サステナビリティに関する企業の取組みの開示
⑴サステナビリティ全般に関する開示
サステナビリティ情報の「記載欄」が「第二部 第2【事業の状況】」に新設されます。
有価証券報告書に新設される「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄に「ガバナンス」及び「リスク管理」の記載事項が必須となり、「戦略」及び「指標及び目標」については、重要性に応じて記載が求めれます。
また、サステナビリティ情報を有価証券報告書の他の箇所に含めて記載した場合には、サステナビリティ情報の「記載欄」において他の記載個所を参照できるとしています。
⑵人的資本、多様性に関する開示
人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針及び当該方針に関する指標の内容等の記載事項を必須とし、サステナビリティ情報の「記載欄」に「戦略」と「指標及び目標」の記載が求められます。
また、女性活躍推進法等に基づき、「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女間賃金格差」を公表している会社及びその連結子会社に対しては、その指標を有価証券報告書においても記載することが求められます。
⑶サステナビリティ情報の開示における考え方及び望ましい開示に向けた取組み
サステナビリティ情報の開示における考え方及び望ましい開示に向けた取組みに関して、以下の様に示されています。
・「戦略」と「指標及び目標」について、重要性を判断した上で記載しないこととした場合にその判断や根拠の開示が期待される点。
・気候変動対応が重要である場合に、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の枠で開示すべきであり、各企業の業態や経営環境等を踏まえた重要性の判断を前提としつつ、Scope1・Scope2のGHG排出量の積極的な開示が期待される点。
・「女性管理職比率」等の多様性に関する指標は、連結グループにおける会社ごとの指標の記載に加えて、連結ベースの開示に努めるべきである点。
なお、サステナビリティ情報の開示における重要性の考え方は、今後、国内外の動向も踏まえつつ、本原則の改訂を行うことが予定されています。
②コーポレートガバナンスに関する開示
取締役会や指名委員会・報酬委員会等の活動状況(開催頻度、具体的な検討内容、出席状況)、内部監査の実効性及び政策保有株式の発行会社との業務提携等の概要に関して、記載が求められます。 改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等は、2023年3月31日以後に終了する事業年度の有価証券報告書から適用予定となっています。
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