【株主総会資料の電子提供制度について】
2022年12月26日に、「会社法施行規則等の一部を改正する省令」(以下、「本省令」)が公表されました。これにより、上場会社等では2023年3月1日以降に開催される株主総会から適用が義務付けられます。電子提供制度を適用する場合でも、希望する株主は株主総会資料の書面による交付を請求することができます。ただし、株主総会資料のうち一部の事項は、定款の定めにより書面への記載を省略することが認められています。
本省令により、書面への記載を省略できる範囲が当初の定めよりも拡大されました。具体的には、事業報告のうち一定の事項や、貸借対照表、損益計算書、連結貸借対照表および連結損益計算書が追加的に省略可能とされています。
また、従来のウェブ開示によるみなし提供制度においても同様に対象範囲が拡大されています。
<改正内容>
本省令では、主に以下の改正が行われています。
1. 電子提供措置事項記載書面で記載を省略することができる範囲の拡大
電子提供制度を適用する場合に、株主から書面交付請求があったときに交付する書面(電子提供措置事項記載書面)に記載することを要しない事項の範囲を拡大、以下が追加的に省略可能(会社法施行規則第95条の4第1項第2号~第4号)。
・事業報告における、役員の責任限定契約に関する事項、事業の経過およびその成果、対処すべき課題、補償契約に関する事項および役員等賠償責任保険契約に関する事項
・貸借対照表および損益計算書
・連結貸借対照表および連結損益計算書
2. ウェブ開示によるみなし提供制度の対象範囲の拡大
従来のウェブ開示によるみなし提供制度においても、対象範囲を拡大、以下が追加的にウェブ開示の対象範囲(会社法施行規則第133条、会社計算規則第133条)。
・事業報告における、事業の経過およびその成果、対処すべき課題、補償契約に関する事項および役員等賠償責任保険契約に関する事項
・貸借対照表および損益計算書
<施行期日>
本省令案は、公布の日から施行されます。
ただし、ウェブ開示によるみなし提供制度に関する改正規定は、2023年3月1日(時限措置の失効の翌日)から施行されます。
上場会社においては適用が義務付けとなる改正となります。社内での開示内容を見直すいい機会になるかもしれません。
以上
東光監査法人へのご相談やご質問、ご不明点等は、各種お問い合わせよりお尋ねください。
どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。