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TOKOニュースレター Vol.141

中期運営方針について

企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、2022年8月30日に、「中期運営方針」を公表しました。

主要な内容は下記になります。

・現状分析と基本方針

2022年6月30日時点での上場会社数3,934社のうち、IFRS適用企業は259社ですが、時価総額に占める割合は46%となっています。

東証のプライム市場が「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」とされ、日本基準についても、グローバルな投資家を想定することが求められているとしています。

基本的な方針:日本基準を高品質で国際的に整合性のあるものとして維持・向上を図るとともに、国際的な会計基準の質を高めることに貢献すべく意見発信を行っていく。

・開発に関する方針

会計基準は資本市場の重要なインフラであり、ASBJは、日本の資本市場への信認を確保する観点で日本基準を高品質で国際的に整合性のあるものとして維持・向上を図るべく、開発を実施しており、今後も継続するとしています。

・日本基準における具体的な課題

日本基準を国際的に整合性のあるものとするための取組みとして、具体的に以下のテーマに関する取組みが考えられるとしています。

  • 金融商品:IFRSが3つのフェーズ(分類及び測定、減損、一般ヘッジ)に分けて基準が開発されたことを受け、ASBJでは減損から着手することを決定して検討を行っている。
  • リース:すべてのリースについて資産及び負債をオンバランスすることを目的として基準開発に着手しており、検討を行っている。
  • 保険契約:2017年5月公表のIFRS第17号「保険契約」が2021年12月に改正されている。日本では保険会社による保険に関する会計処理に保険業法の定めが用いられてきているが、今後、保険契約全般に関して、ASBJにおいて会計基準の開発に向けた検討に着手するか否かの審議を行う。

・国際的な会計基準の開発に関連する活動

日本の資本市場におけるIFRSの重要性が高まるに伴い、日本基準の考え方を国際的な会計基準に反映することについて市場関係者の期待が高まっています。国際的な会計基準の策定の場における日本のプレゼンスの向上及び影響力の強化は、ASBJの重要な課題となっています。のれんの非償却及びその他の包括利益のノンリサイクリング処理を日本で受け入れ難い項目として、意見発信を行っており、今後も継続するとしています。

また、日本において、国際的な会計基準の策定の場において意見発信できる人材及び国際的な会計基準の策定に直接関与できる人材が十分ではなく、国際的な会計人材の開発が引き続き重要な課題となっています。今後も国際会計人材ネットワークの組成・運営及び少人数による会計人材開発支援プログラムを実施させるとしています。

ASBJの中期運営方針の中で、日本基準における具体的な課題として挙げられている金融商品、リース、保険契約の動向、国際会計基準審議会(IASB)への意見発信に注目したいものです。

以上

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