【四半期報告制度の見直しについて】
1.四半期報告制度の見直しの経緯
岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」の実現の中で、四半期開示の見直しについて言及されてきました。これを受けて、金融庁の金融審議会「ディスクロージャーワーキンググループ(DWG)」では、四半期開示制度見直しに関する検討が行われています。
2021年6月
金融担当大臣による金融審議会に対する企業情報の開示の在り方についての諮問(2021年6月25日)
2021年10月
第250回国会:内閣総理大臣所信表明演説(2021年10月8日)
三 第二の政策 新しい資本主義の実現
次に、分配戦略です。
第一の柱は、働く人への分配機能の強化です。企業が長期的な視点に立って・・・・
・・・「三方よし」の経営を行うことが重要です。
非財務情報開示の充実、四半期開示の見直しなど、そのための環境整備を進めます。
2022年6月
〇「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の閣議決定(2022年6月7日)
4.金融市場の整備
(1)四半期決算短信
金融商品取引法上の四半期報告書を廃止して、取引所の四半期決算短信に一本化することとし、具体策を本年中に検討した上で、関連法案を提出する。
〇金融庁の金融審議会「ディスクロージャーワーキンググループ(DWG)」報告書公表(2022年6月13日)
開示の効率化を目的として、四半期開示の見直しを提言。具体化に関する諸問題については、更に検討を進める必要がある。
2.四半期報告制度の見直しの内容
提言された内容
(四半期報告の廃止)
・法令上の四半期開示義務を廃止し、取引所の四半期決算短信に「一本化」
今後検討される内容
(四半期決算短信の提出義務の対象)
・全部又は一部の上場企業を対象とした四半期決算短信の義務付けの有無をどのように考えるか
(四半期開示の内容)
・一本化した四半期決算短信にどのような記載を求めるか
(虚偽記載に対するエンフォースメント)
・一本化した四半期決算短信の虚偽記載に対して、どのような責任を課すか
(監査法人による保証の有無)
・一本化した四半期決算短信に対し、監査法人のレビューの必要性についてそのように考えるか
・半期報告書にたいする監査法人の保証の在り方についてどのように考えるか
四半期決算短信に「一本化」することについては、既に合意がなされています。「一本化」の具体的内容については、今後DWGで検討が行われる予定です。
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