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TOKOニュースレター Vol.74

不正事例の考察

昨年の東芝の不適切な会計処理に関する事件に端を発して、今年も様々な場面で、会計不正が取り上げられてきました。
2016年3月期に会計不正を公表した上場企業は41件にものぼり、年々増加傾向にあります。
そこで、近年公表された不正事例の特徴を確認していきたいと思います。
なお、意見に関する部分は筆者の私見ですので、ご了承ください。
①国内外の子会社における会計不正
東京商工リサーチが行った不適切な会計・経理を開示した上場企業の調査では、発生当事者別でみると、子会社・関係会社が全体の44.8%を占めていたという結果が出ています。
また、日本公認会計士協会の経営研究調査会不正調査専門部会での不正事例の調査結果を見ても、企業の海外展開が増加するに伴い、海外子会社において会計不正が発覚するケースが増加しているとの調査結果が出ています。
内容としては、利益捻出を目的とした不正経理、子会社従業員による架空取引などが挙げられます。
(特徴)
子会社自体の内部統制が脆弱であったり、親会社による子会社に対するガバナンスの欠如をついて、子会社の役員等によって行われる
(手口)
・売上・売上債権の過大計上⇒架空の売上計上し、回収も偽装したもの
・在庫数量の水増し、もしくは単価操作による棚卸資産の過大計上
・経費の意図的な時期への繰延
子会社を利用した不正は、利益達成へのプレッシャーが動機となり、内部統制の不備を原因として行われる傾向にあります。
上記の手口による不正では、財務分析数値に異常が出ることが考えられ、そこから不正を発見できる可能性もあります。
内部統制を整備充実し、経営者や監査役などの監督機能を強化するとともに、経理部門による財務分析を詳細に行うことで不正を防止できる可能性が高まるものと考えられます。

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