TOKOニュースレター Vol.34

国際会計基準（ＩＦＲＳ）の当面の方針について

企業会計審議会は、「国際会計基準への対応のあり方に関する当面の方針」（2013 年 6 月 19 日付）を公表しました。これには、ＩＦＲＳへの対応のあり方に関する基本方針を示しつつ、「ＩＦＲＳの任意適用要件の緩和」「ＩＦＲＳの適用の方法」「単体開示の簡素化」の３つの考え方が整理されています。
特に注目すべきは、「ＩＦＲＳの適用の方法」としてエンドースメント手続の必要性に触れている点です。エンドースメント手続とは、自国基準へのＩＦＲＳの取り込み手続を言い、多くの国地域で導入されています。我が国でもピュアなＩＦＲＳの他「 我が国に適したＩＦＲＳ」の観点から個別基準を検討し、必要に応じて基準の一部を削除又は修正した上で適用するエンドースメントの仕組みを設けることは、ＩＦＲＳの任意適用企業数の増加を図る中、世界金融危機のような非常時に我が国の事情に即した対応を採る道を残しておくことになるなど、我が国 での柔軟な対応を確保する観点から有用であると考えられています。
我が国は、今後 ４つの基準（「日本基準」「米国基準」「 ピュア ＩＦＲＳ」「エンドースメントされたＩＦＲＳ」）が併存する可能性はありますが、 大きな収斂の流れの中での１つのステップとして位置づけることが適切とされています。
なお今回の方針には、エンドースメントの検討をＡＳＢＪが速やかに行うことを期待すると示され、また 任意適用要件の緩和及び単体開示の簡素化に関しては、 適用可能となる具体的な時期について提案されておりません。