電子記録債権制度は、特に中小企業の資金調達の円滑化等を図るため、従来の手形・指名債権を単に電子化したものではなく、新たな決済手段として創設されました。 制度的には 、平成19 年6月 に「電子記録債権法」が成立し、 平成20 年12月に施行されました。
また、平成25年2月には、一般社団法人全国銀行協会(全銀協 の子会社「株式会社全銀電子債権ネットワーク」が提供する「でんさいネットサービス」のサービスが開始されました。 それまでは、大手金融機関内のみに利用が制約される3つの機関しかありませんでした。しかし、「でんさいネットサービス」は 、全銀協、信用組合等全国1 ,3 00以上の ほぼ全ての 金融機関が参加しているため、今後事業者の決済手段として電子記録債権(でんさい)の利用が増加していくことになるでしょう。
この電子記録債権 の会計処理等については、平成21年4月、企業会計基準委員会から「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」が公表されています。
これによりますと、貸借対照表上、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引 (売掛金や買掛金 に関しては、電子記録債権についても指名債権とは別に区分掲記することとし、「電子記録債権(又は電子記録債務)」等、電子記録債権 (債務 を示す科目をもって表示します 但し、 重要性が乏しい場合は受取手形に含めた表示が可能)。
また、譲渡記録により当該 電子記録債権を譲渡する際に、保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注記を行います。
さらに、会計監査手続きの面 で は、 平成23年3月「 電子記録債権 残高の検証手続上の留意点」が公開され、債権債務残高の検証について、確認が有効でありその場合の留意点が紹介されています。
上記以外では、電子記録債権に関する内部統制、貸し倒れリスクの評価、期間帰属についての監査手続について留意する必要があるでしょう。
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