【自社への影響範囲を棚卸しする】
税率・実施時期ともに確定ではありませんが、政府の社会保障国民会議において、飲食料品の消費税率を来年4月に1%へ引き下げる議長案が示されました。食料品を事業として取引していないとしても、間接的に影響を受けることもありますので経理実務の論点を整理しておく必要があります。
まず直面するのが、自社の経費処理の問題です。食料品を直接販売しない企業であっても、会議費や交際費、福利厚生費などで飲食料品を購入する機会は日常的にあります。税率が変われば、これらに紐づく仕入税額控除の計算ルールが変わるため、経費精算システムの税率設定をあらかじめ見直さなければなりません。「少額の経費だから」と見過ごされがちですが、税率の誤りは金額の大小を問わず申告ミスにつながります。
さらに見落とせないのが、取引先から受け取るインボイスへの対応です。仕入先や外注先に食料品関連の事業者がいる場合、相手方が発行してくるインボイスの記載税率が変わります。受ける側の企業としては、自社の会計システムやOCR(文字認識)ツールが新たな税率区分を正しく処理・判別できるか、事前にシステムベンダーへ確認しておくことが欠かせません。
2019年の軽減税率導入時を振り返ると、対応が後手に回った企業ほど直前期の業務負荷と改修コストが跳ね上がりました。受領したインボイスの税率読み取りや仕訳入力で現場が混乱したことも、記憶に新しいところです。制度の詳細が完全に固まるのを待ってから動き出すのでは、システム改修のリードタイムが足りなくなるリスクがあります。いまは「自社への影響範囲を棚卸しする」フェーズと捉え、早めの準備を推奨します。
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