上場会社の課題、不測の事態を防ぐために……
2024年に華々しく上場を飾ったはずのAI開発企業が、2025年7月の不正会計発覚を経て、わずか1年足らずで会社清算へと追い込まれることになりました。不正発覚直後に民事再生申請が行われましたが、スポンサー不在のまま上場廃止、そして解散という結末に至りました。
この事態を受け、東京証券取引所は再発防止に向けた審査体制の厳格化を打ち出しました。今後は、循環取引のリスクが懸念される「代理店利用比率の高いビジネスモデル」や、不正の予兆となり得る「監査人の交代」があったケースなど、リスクの所在に応じてこれまで以上に踏み込んだ審査が行われることになります。また、形式的な整備に留まりがちな内部通報体制の実効性等を重点的な確認事項とし、不正リスクの情報収集・分析にAI技術を導入するとしています。
これらは一見、新規上場を目指す企業への規制強化に見えますが、本質的にはすべての上場会社が直面すべき課題です。上場維持のハードルが実質的に引き上げられた今、既存の上場企業においても、現在の管理体制が形骸化していないか、真に機能しているかを改めて問い直す時期に来ていると言えるでしょう。
不正会計という一石が投じた波紋は、もはや一企業の破綻に留まらず、日本市場全体における「ガバナンスの質」を厳しく問うものとなっています。不測の事態を防ぐためにも、平時からの透明性の確保と、経営層による主体的な内部統制の強化がこれまで以上に強く求められています。
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